地球温暖化の悪影響が目に見えるようになってきたことを受け、ウォール街の資金の流れが低炭素へと急激に流れるようになってきました。
この年間2,000兆円とも目される国際ビジネスに対して、日本は乗り遅れています。
このような社会変化は、今の私達の日常の暮らしの中での大きな問題には感じられないでしょうが、子ども達の将来の日本の世界での地位はどうなっているか、とても心配になります。
その大きな原因として、子どもや若者世代の「理科ばなれ」「科学ばなれ」があり、日本の顕在的な課題となっています。
便利なインターネット社会になったこともあり「全ての答はスマホにあり」さながら、情報や知識を受動的にしか扱えない傾向のある人が増え、能動的に何かを生み出す人は減り続けています。
理科分野に限らず、文系分野でも同様です。次世代を担う幼児〜若者世代に対し、分野によらない「科学の面白さ」や「科学を活用した豊かな暮らし」を教育する必要が生じています。
一方、人口減、経済の停滞が継続している地方の未来は不安でいっぱいです。
近年では、地元愛を醸成しようとして、学校などで地元教育を行うようになりました。
しかし、そこで獲得した地元愛を理由に「地方で暮らすという人生」を設計する人の割合が果たして増えるのか?おおいに不透明です。
若者世代にとっては、大人から押しつけられた地元愛、つまり、大人世代が若者の選択肢を狭めている行為だ、と受け止められてしまう危険性もあります。
今回の「2018おもしろ科学まつり」では、3つの主旨を設定しました。
まず、幼児〜若者世代に現物の科学に触れてもらうことを第一の主旨としました。
知ること、出来ることの喜びを感じてもらう工夫を凝らしました。
昨年に引き続き、理系分野に止まらず、歴史文化など文系分野の面白さもテーマとしました。
第二の主旨は、お子さんご自身はもちろん、その保護者の皆さんにも、地元である和歌山の科学技術が高いレベルにあることを実感してもらうことに置きました。
地元企業や行政の出展を誘致し、そこでの体験を通じ「和歌山イケテルやん」など、地元で暮らし続けることへの自信を深める最初のステップになればと考えています。
保護者の皆さんには「和歌山って(意外に)イケテルんやで」など、お子さんが将来も地元に残って暮らすことを自信もって勧められる、地元和歌山への評価を高めて頂く機会になればと考えています。これも昨年と同様です。
そして、今年は、新たに、第三の主旨として、イオンモール和歌山さんという大規模商業施設で開催することを通じ、来場者が1日中楽しめる、つまり、お祭の要素を増やしました。
科学は、分野によらず、様々な場面で私達の暮らしを豊かにします。
地元を豊かにします。だからこそ、世代を超えて「科学ばなれ」を食い止める必要があります。
今回の「2018おもしろ科学まつり」が、その第一歩となることを期待しております。何より「科学は楽しいんだ」ということを来場者の皆様に体感していただける、そんな機会になれば幸いです。
開催要項(PDF) (2018年10月7日更新) |
〇 実行委員長
中島 敦司 和歌山大学協働教育センター・システム工学部
〇 実行委員
岩城 徹 一般社団法人和歌山県発明協会
臼井 達也 NPOわかやま環境ネットワーク
川島 啓司 和歌山市立藤戸台小学校
栗柳 哲也 和歌山市立宮小学校
古賀 庸憲 和歌山大学教育学部
齊尾 茉里 m art space
阪本 博子 一般財団法人雑賀技術研究所
竹原 秀也 株式会社和歌山リビング新聞社・日本宇宙少年団和歌山分団
津田 尚明 和歌山工業高等専門学校
仁藤 伸昌 近畿大学生物理工学部地域交流センター
野上 聖児 和歌山市教育委員会・和歌山市立こども科学館
東 悦子 和歌山大学観光学部
樋口 陽平 近畿大学附属和歌山高等学校中学校
藤木 郁久 和歌山県立桐蔭高等学校科学部顧問
古川 義高 株式会社ヤマトクリエーション和歌山
三浦 浩一 和歌山大学システム工学部
向野 幹生 和歌山県自然環境室
森 浩基 和歌山県教育庁学校教育局義務教育課
矢野 充博 和歌山大学教育学部附属中学校
吉田 久視子 和歌山県自然環境室
吉村 旭輝 和歌山大学地域活性化総合センター紀州経済史文化史研究所
〇 事務局長
西村 竜一 和歌山大学協働教育センター・システム工学部