おもしろ科学まつり和歌山大会




(*は工事中です)



青少年のための科学の祭典 -2011おもしろ科学まつり- 和歌山大会 【開催趣旨】


 私たち日本人は先人の努力と高い科学技術によって豊かな生活を獲得したと言われてきました.しかし、今年3月11日の東日本大震災では,想定外の津波によって多くの尊い命を失い,いまだに収束の目処のない放射能災害に翻弄されています.後になってみれば,過去の地層の研究から同規模の津波の痕跡が発見されていたことが報道され,決して想定外の災害ではなかったことがあった明らかになっています.つまり本来,未知で想定外の自然に対する探求であるはずの科学研究が人間の生活を支える技術の都合によって思考の枠をはめられていたことになります.このような災害を通じて多くの犠牲者を出さないためには,自然の成り立ちを正しく理解し,科学的にものごとを考える精神と,それを実現する技術力が必要です.
 このように,科学教育が過去に例のないほどに重要になってきていますが,今日の若者については,「知離れ」,「学問離れ」が指摘され,めんどうなことは避けて通ろうとする傾向があると言われています.特に科学教育は地道な積み重ねが必要なこともあり,若者から敬遠され,「理科離れ」,「科学技術離れ」が深刻になっています.この状況を打開するため,いろいろな,科学技術教育改革のための答申や提言が出され,実行されようとしていますが,科学技術教育というと,ともすると大学・大学院における高等教育に目を奪われがちです.しかし,理科離れは高校以下の段階ですでに浸透しており,理工系の学部に進学しようとする若者自身が少なくなってきています.
 従って,今日の理科離れ,科学技術離れを克服するためには,小学生の時から継続的に,科学の「おもしろさ」,「楽しさ」を伝えていく必要があります.私達は2000年以来和歌山市で「おもしろ科学まつり・和歌山大会」を開催し,毎年大変多数の方々に来場いただき科学を楽しんでいただきました.今年も,全国各地で開催されている「青少年のための科学の祭典」の一環として「おもしろ科学まつり・和歌山大会」を開きます.
 今回も,小学校,中学校,高等学校,大学の先生方および大学生,大学院生や,その他科学に関心のある方々の協力を得て,科学の実験,観察,工作などを準備し,子どもたちにそれらを見学,体験してもらって,科学のおもしろさ,楽しさを感じてもらおうと計画しました.特に今年は街の中心地に会場を移し,より多くの人たちが参加しやすいように工夫してみました.この大会が,科学の真のおもしろさ,楽しさを理解し,探求心を持ち,創造力にあふれた若者を育てることの一助になることを期待しています.

実行委員長 尾久土正己


ページ先頭へ